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Box Art2000年の秋に発売されたハセガワのVF-1バルキリーファイター。 ハセガワ初のキャラクターモデルではありましたが、完全に航空機のフォーマットのそれは、いわばハセガワの最も得意とする分野であり、その出来は、往年のマクロスファンの期待に違わぬ出来でした。 売上も大変順調だったようで、スーパーやストライク、VT-1や、はてはVE-1のようなマイナー機に至るまで順調にバリエーションを増やしました。 そして2002年の夏、遂にバトロイド形態が発売されました。 思うに、バトロイド(ロボット)形態こそがハセガワにとって真のキャラクターモデル初挑戦と言えるでしょう。 ロボットモデルをハセガワがどう料理したのか?ロボットの老舗バンダイとは、どう違うのか? ・・・それでは、さっそく見てみましょう。

ファイター同様の真っ白なプラスチックで成型されたパーツには、やはりファイター同様の繊細なモールドが走ります。 また一つ一つのパーツが大変薄くシャープで、やはりロボットというよりは飛行機のキットのようです。

まずはお約束

本稿で"A1"、"F11"等の表記は部品番号を指します。 また"工程12"等の表記は、組立説明書の組立工程番号のことです。 ”331番”等の表記はGSIクレオス社のMr.カラーの番号です。 #600等の表記は耐水ペーパーの番号のことです。 "インスト"とはインストラクションマニュアルの略で、組立説明書のことです。

部品分け

色番号主なパーツ番号機体部位
331B1,2,16
C1,9,10,15,16,17
F3,4,5,10,11,
シャッター インテーク
膝裏ブロック
28D6,7
F15,28
ベクターノズル
背部ノズル
61F9,25,28ノズル内側
316上記以外の
パーツ
機体色
インストを読みます。 塗装することを意識したパーツ割りになっており、ユーザー側で”後ハメ加工”のようなことは、ほとんどする必要が無いことが判ります。 各ユニットごとに組み立て・塗装をして、後で一気に組み上げるという感じです。 左の表のように大まかに部品分けをしておくと良いでしょう。 

クリアパーツ

クリアパーツ製作の段取りの都合上クリアパーツから入ります。 カメラアイ・肩ライト・膝下ライトがクリアパーツで用意されています。 肩ライトと膝下ライトにはフレームがモールドされており、レンズ部と塗り分ける必要があります。

まず、ランナーから切り離さない状態で、指定のクリアカラーで塗装します。 クリアカラーの塗装は必ず、エアブラシ又はスプレーで行います。

肩・膝下ライトのレンズ部をマスキングします。

同じくクリアカラーでの塗装指定がされているF16,17も同時に塗装しておきます。 小物パーツは塗り忘れがちですので、なるべく早い段階で塗装を済ましておくのが良いでしょう。


膝間接部パーツ・他

331番で塗装するパーツの切り離しと組み立てを行います。 具体的には胸部サブエアインテーク(D10)とメインエアインテークカバー(C1・C17)そして膝関節ブロック(工程17〜19)です。
 膝関節ブロックは、接合ピン位置の合いが良くありません。 このまま組み上げると段差が生じます。 そこで、ここは思い切ってF4および、F11の接合ピンを切り飛ばし、接合ピンに頼らずに位置合わせをし、接着します。)
 膝ブロックのパーツは仮組をして接合線を消す場所を確認してください。 工程18(F3,F4)で組み立てた膝関節下側ブロックの前側は膝カバー(F23)で完全に隠れるので接合線を消す必要はありません。

Tips

PC15ポリパーツ(PC-1)の長いほうの頭を少々山型にカットしてやります。 C2、C18のリング部分の破損が防げます。 またこの加工によって、接着・塗装後に太腿の接合線が、ポリパーツのテンションによってぱっくり開いてしまうのも防げます。 この症状は特に右側(C3,C2)によく発生するようです。

工程20は工作が良くないと大腿部が前方に動かないことになります。 充分に注意して組んでください。

各部の接着・組立

接着・組立できるところを一気にやってしまいます。 バンダイのMG等になれていると面食らうかもしれませんが、接合線が各ブロックのど真ん中にくることが多いのです。 パーツを会わせたら流し込みタイプの接着剤を接合線に流し込みます。 同時にゲート後や、腕パーツ(F20)等にあるひけを溶きパテで埋めておきます。 最低24時間、できれば3日程度おいてから、耐水ペーパー#600→#800と順に磨き接合線を完全に消します。

工程番号部位
1〜3肩・腕
5
12肩部ライト
15機首
21下脚部(F16の取り付けは行わない)
24エアインテーク(C1,C17の取り付けは行わない)
34〜35ガンポッド

工程24で下脚部を組み立てます。 実はこの部分も接合ピンの位置があまりよくありません。 接合部を切り飛ばして接着します。 ポリキャップを挟むので位置合わせに困ることはありません。 この部分にはギアベーン(脚収納庫のドア)のモールドがあり、接合線を消す際にこのモールドも失われます。 しかし、このモールドは真正面にあるため、出来るだけ綺麗に再生する必要があります。そこで以下の手順で組み立てます。

Leg 01 Leg 02 Leg 03
@インストの指示通りに組み立てます。 正面のみ黒で墨入れをします。 墨入れすることによって、モールドを復活させるときのガイドになります。 接合線上に流し込みタイプの接着剤を塗ります。 この状態で24時間程養生させます。 A接合線の両脇にマスキングテープを貼ります。 マスキングテープの上に、普通のセロファンテープを重ね貼りします。 次に溶きパテを塗ります。 さらに1日〜3日養生させます。 B充分にパテが乾いたところで、マスキングテープを一旦はがし、元の位置から数mm横にずらして貼りなおします。 あとは、通常どおり#600→#800と耐水ペーパーを掛けていきます。 マスキングテープの上にセロテープを貼ってるいるので、テープが水で濡れても破れたりすることなく、モールドを保護します。


Leg 03エングレイバー(けがき針)等をつかって、消えたモールドを復活させます。 このとき、直線を出す為に、何かガイドを用います。 ある程度硬くて直線を出せるものであれば、エッチングプレートとかプラ板とか何でも良いのですが、私は大阪のロム・プラモ店という模型店から出ている”いわゆるガイドライン”という商品名のガイドテープを用いました。 適度な粘着力と厚さがあるので針が逃げず大変使いやすいものです。 また透明ですので先に墨入れしておいたモールドと位置合わせがしやすい点も良いです。 ただし値段が¥850とこの手のサポートグッズとしては、少々高い気がしますが。

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