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Introduction


ハセガワ テムジン SHADOW VR発売から二ヶ月が経ち、そろそろネット上にも作例が上がり始めたハセガワ製テムジン747J。 当初はその製品フォーマットに賛否両論飛び交いましたが、実際に完成させたユーザーの声は、その大多数が「それなりに大変な部分もあったが、楽しかった」と言うものの様です。 このことはハセガワのキャラクターキットを応援する者の一人として嬉しい限りです。 さて、本コンテンツ"How to make”でも当初からノーマルカラーとあと一つ色代え版をやる予定でした。 主に時間的な制約から途中で方針変更してノーマルカラーのみを先に完成させたのは、Talking aboutページ[C]で語った通りです。 1機目のロールアウトから一月が経ち、その色代え版が完成しました。 見ての通りSHADOW[C]カラーです。 誰でも考えそうなバリエーションですが、実際にやってみる場合の段取りを簡単に記しておきます。 このキットをさらに楽しむ一助になれば幸いです。

Preparations


このようなバリエーションモデルを作る場合はまず資料を調べるのが常道なのですが、とりあえず手に入った資料は、マーズ公式サイト[C]の斜め前からの図があるだけです。 で、ここは基本的にノーマルの747Jのカラーリングパターンに従うことにしました。

ノーマル SHADOW
ホワイト 333 エクストラダークシーグレー
  キャラクターブルー 307 グレー FS36320
ミッドナイトブルー   黒 
オレンジ シャインレッド
シャインレッド シャインレッド
色の対応は左の表の様になります。 選んだ色については、手持ちのカラーの中から「この組み合わせでいけるかな?」程度の感覚的なものです。 特に307については、この少し青味がかったグレーが個人的に好きな色なので、頻繁に使ってしまう傾向があるのですが、もっと白いグレーの方がハイエンドCGのイメージに近いかもしれません。

ハセガワ テムジン マスキングシート マスキングの型紙を作ります。 基本的にはキットのデカールをスキャンしたものでOKです。 スキャナとプリンタの両方の解像度によりますが、だいたい300dpiくらいでスキャンします。 画像編集ソフトを用いて読み込んだデータからデカールの台紙色(水色)を取り除きます。 ソフトによって呼び名は違いますが、「自動選択ツール」とかそんな感じの機能を使って一気に選択→削除すればよろしいでしょう。 できあがったデータをB5サイズ等で印刷します。(左写真) このとき、スキャン元と印刷結果でサイズが一致することが大切です。 ソフトによっては出力する紙のサイズにデータをあわせるものが結構あります。 この点には注意してください。 必要最低限の枚数より少し多めに印刷しておくと良いでしょう。

Coloring work


ハセガワ テムジン 脚 塗装ですが、もうこれはひたすらマスキングと塗装を繰り返していくだけです。

まずシャインレッドで卵を全部塗ります。 卵をマスキングします。 次にサーフェーサーを塗って塗料のあし付けをします。 あとはパーツ毎にケースバイケースで処理していきます。 普通は最初にベースカラーになる333エクストラダークシーグレーを塗っておき、次に307グレーを塗り、最後にデカールで黒い部分を仕上げるという段取りになります。 しかし、全てが同じパターンで出来るわけではありません。 例えば左の脚の場合ですと、先に303グレーを適当に塗っておきます。 次に先に作ったマスク型を使って303グレーの部分をマスキングします。 マスク型は最初は型のシルエットにこだわらずに、適当に切り取ります。 それを糊(少し太めのスティック糊が便利です)でマスキングテープの上に貼り付けます。 このときマスキングテープは適当な長さに切ってカッターマット等の平らで綺麗な場所(←ココ大事です)に一時的に貼りつけておくと作業がしやすいです。 型がテープの上に固定されたらデザインナイフで、型のシルエットどおりに切り抜きます。 マスキングテープから型紙を剥します。 紙の型がテープについたままだと曲面に馴染みにくいので、型どおりに切り抜いた後は型の方は剥してしまうわけです。 マスキングテープをマスクする位置にセットします。 マスクされた上から黒を吹きます。 乾燥後、再び型紙から黒の部分のパターンを切り出して、先ほどと同じ段取りでマスクを作り、黒い部分の上に貼り付けます。 最後に330エクストラダークシーグレーで全体を塗ります。 充分乾燥してからマスクを剥すと完成です。 何故、この部分だけ黒いラインを塗装で行ったのかと言うと、グレーと黒が隣りあって複雑なパターンを描いており、黒い部分とグレーの部分の重なり具合が塗装とデカールの組み合わせだと難しいからです。 片方がデカールで幅が固定されていると、グレーの部分が若干細かったり太かったりした場合に、色の境界に隙間が出来たりします。 両方が塗装だと、現物合わせでマスキング位置の調節をすることで、なんとかなるわけです。 また、面積がこれだけ大きいと自作デカールのアラが出やすいことも理由の一つです。 しかし、マスクをする部分全てにこのような紙型を使用するわけではありません。 単純な直線等はマスキングテープをそのまま使った方が綺麗なラインが出ますので、ケースバイケースで取り組んでください。 慣れてくると効率の良いマスキングの段取りが判ってきますので、数をこなすことが大切でしょう。 例えばこの作品ではハイテク・スニーカーの様な足部分も全てマスキングで仕上げてありますが、マスクを剥したときに、思い通りにきっちり塗り分けられた姿が現れると、ある種の快感を覚えますよ。

Decal


デカール版下1 デカール版下2 デカールの版下を作ります。 今回は黒いラインをデカール化しました。 但しスネの部分は先に述べたとおり塗装で行ったので、この版下には含まれていません。 現行手に入りやすいWAVEとモデラーズのクリアデカールはB5サイズですので、それに合わせてレイアウトします。 またMDプリタは端の方への印刷が不得意なので、実際のB5よりキャンパスサイズを小さめにしておきます。 本当はドロー系のデータにするのが望ましいのですが、この程度のデータでしたらペイント系でも実用上問題は無いでしょう。 MDプリンタの性能上、どうしても斜めのライン等でジャギーが出てしまったりしますので、刷り上ったデカールは貼る前に部分的にタッチアップしておきます。
今回私が使った版下が必要でしたら、以下のリンクを右クリックしてコンテキストメニューから「対象をファイルに保存」してください。(Winの場合) Macの場合確かCtrl+クリックで同様のメニューが表示されると思います。 ファイルはPNG形式です。 Fireworksで作成しましたが、PNG形式が読めるソフトならなんでも行けると思います。 表示だけなら普通のブラウザでも出来ますが印刷時にサイズが狂いますので、グラフィックソフトを使ってください。

版下1 tem_decal_black_2.png(1708KBytes)[C]
版下2 tem_decal_black_3.png(1769KBytes)[C]

最終的にはこれら全てのデカールを貼るわけではなく、実際には塗装をした部分もかなりあります。 自家製デカールは局面への馴染みが正直良くないので、無理に貼り付けようとするよりも、結局塗装した方が早い場合もかなりあります。実際にやってみてケースバイケースで選択してください。

デカール版下グレーライン デカール版下グレーライン例えば太もものグレーのラインの様に中間色のデカールが欲しい場合は、まず、黒ベタのデカールを作り綺麗に切り抜きます。 切り抜いたデカールに直接カラーを吹きます。 充分に乾燥させれば普通にデカールとして使用可能になります。 MDプリンタではこの様な色のデカールを作るのが大変難しいので、この方法で対応します。

Finish work


SHADOW SHADOW SHADOW

SHADOW SHADOW MDプリンタで作った自家製デカールは耐久性に乏しいので、必ずトップコートをして保護します。 今回の作例ではクレオスの水性ホビーカラー「つや消しクリア」を各パーツごとに吹いた後、組み立てています。 それでもUP写真を見ると一部端の方が浮いているデカールがあったりします。 気にしだすときりが無いので、ある程度のところで妥協するのも精神衛生上大切かもしれません。 とりあえず、こんな感じでSHADOW VRの完成です。 少しは参考になったでしょうか? このコンテツが貴方の製作のモチベーションアップに少しでも貢献出来れば幸いです。(2004.11.20)
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